スーツをつくる際、やはり“ボタンの王様”と呼ばれる「水牛ボタン」にこだわりたいところではありますが、高級オプションの一つである以上、追加料金が発生するケースがほとんどです。
となると、追加料金を払ってまで水牛ボタンにするのか、あるいは無料のプラスチックボタンのままにするのか、迷いどころではありますが、そもそも、水牛とプラスチックのボタンの違いって、見分けがつくものなのでしょうか?
まずは写真を見比べてみましょう。
こうして見比べると、やはり違いますね。
単色で、すべて一様のプラスチックボタンに比べて、水牛は天然素材ならではの風合いがあり、一つひとつ模様が異なるのがまたかっこいいです。
しかし、身近な人が着ているスーツのボタンって、そこまで注意深く見る人が世の中にどれくらいいるものでしょうか。
洋服に関することを生業としている人でない限り、周りの人のスーツなんて、「何となくかっこいいな」と思うことはあっても、細かい仕様なんてそこまで気にしていない、というのが多くの方の感覚ではないでしょうか。
近くで人のスーツに注目することはあっても、目が行くのは、色味や生地感、サイズ感、チェンジポケットなどの特徴的な仕様、あるいはラペルの雰囲気など、比較的目立つ部分であって、ボタンについては、せいぜい色がどうなっているかくらいしか見えていないのが実際のところではないでしょうか。
近くで注意深く見たとしてもその程度なのですから、極論、世の中の多くの人は、スーツの細かい部分なんて気にしていないものだと思うのです。
まして昨今では、こんな水牛“風”の柄のボタンもあります。
水牛風の柄ですが、すべて同じ模様になっていますね。
プラスチック、水牛、“水牛風”の3つを並べてみると、こんな感じ。
写真2枚とも、左からプラスチック(黒)、水牛“風”、本水牛の並びです。
こうして並べて見比べれば、さすがに違いはわかるかもしれませんが、これ、周りの人がこの「水牛“風”ボタン」をつかっていたら、相当間近で注意深く見ないと気づかないのではないでしょうか。
でも、これはプラスチック製であるだけに、基本的には無料で対応してもらえるはずです。「できる限り安くつくりたいな」「本物の水牛ボタンを付けるほどの生地ではないな」という思いがある一方で、「単色で“いかにもプラスチックです”という見栄えのボタンには抵抗がある」という場合、このような水牛風のボタンを選ぶのも一つの手ではないかと思います。
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