スーツにリュックはおかしいのか

スーツのお悩み
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街中ではスーツ姿にリュックを背負う様子もよく見られますが、本来のスーツスタイルとしてこれは「OK」と呼べるものなのでしょうか。今回は、スーツ×リュックがそもそもおかしいのか、そしてそこに潜む問題点などについて、多面的に明らかにしていきます。

スーツスタイルで本来使うべきカバンとは

スーツスタイルで本来使うべきカバンは、革製のブリーフケースやアタッシュケースがスタンダードであり、品格を保つ選択肢であることに間違いはありません。歴史的にビジネスシーンにおける信頼性と洗練された印象を与えるために使われてきました。

リュックに比べ、ブリーフケースやアタッシュケースの場合は、スーツのシルエットを崩すことなく、洗練された印象を与えます。特に、ビジネスシーンでは相手に与える第一印象が重要ですから、革製のカバンは、その質感と堅牢さがスーツと調和し、フォーマルな場面にふさわしい選択肢となります。

ポーターのブリーフケース(吉田カバン公式サイトより)

サムソナイトのアタッシュケース(Amazon販売ページより)

 

また、手に持つスタイルのカバンは、姿勢や動作を美しく保つ効果もあります。リュックとは異なり、肩や背中に負担がかかりにくいため、スーツのジャケットにしわや摩耗を与えることが少ないです。これにより、スーツを長持ちさせ、常に清潔感ある見た目を保てます。

というわけで、スーツスタイルには革製のブリーフケースやアタッシュケースが定番で王道であり、上品でプロフェッショナルな印象を与えるものであることを、まずは理解しておく必要があります。

スーツにリュックを背負う人は増えている

とはいいつつも近年、スーツにリュックを背負うビジネスパーソンが増えています。こうしたトレンドの背景には、リュックの機能性の高さと、ビジネスシーンにおけるドレスコードのカジュアル化が影響しているといえます。

特に、ラップトップや書類、その他の多くのビジネス用品を持ち運ぶ現代の働き方では、リュックの収納力と両手が自由になる利便性が魅力です。これにより、リュックがスーツスタイルでも受け入れられるようになってきました。

さらに、たとえばAOKIスーツスクエアなどでは、スーツスタイルに合うようにデザインされたビジネスリュックも登場しており、従来のアウトドア風リュックとは異なり、シンプルでスタイリッシュなデザインが特徴です。素材も高級感のあるナイロンやレザーが使用され、ビジネスシーンでも違和感なく馴染むものが増えています。色も黒やグレーなど落ち着いたものが主流で、スーツとの相性を考慮したリュックが多く展開されています。

スーツスクエア ACE共同開発のバックパック(スーツスクエア公式サイトより)

こうした背景から、スーツにリュックというスタイルは機能面でのメリットが大きく、スーツのカジュアル化とともに徐々に市民権を得ているというわけです。

スーツにリュックはおかしいのか

このようなトレンドもあるので、スーツにリュックを合わせることが一概に「おかしい」とは言えないものの、やはりスーツスタイルに適した選択肢というわけではありません。

繰り返しになりますが、リュックはもともとアウトドアやカジュアルな場面で使用されるアイテムです。そのため、伝統的なビジネススタイルと比較すると、どうしてもカジュアルさが目立ち、フォーマルなシーンでは違和感を与える可能性があることは前提として認識しておくべきです。

 

その上で、機能面のメリットから、リュックを背負いたいという方も多いでしょう。その場合は、リュックの種類や素材、形によってはスーツとの相性が良くなる場合もあるので、そのあたりにはぜひ注意したいところです。

たとえば、シンプルで無駄のないデザインのリュックや、黒やネイビーなど落ち着いた色のもの、高品質なナイロンやレザー素材のリュックは、スーツと比較的馴染みやすくなります。こうしたリュックであれば、ビジネスシーンで使用しても目立たず、機能性を損なわずにスタイリッシュさを保てるでしょう。

スーツにリュックを背負ったときの大問題

最後に大事な問題について触れておきます。

スーツにリュックを背負う際、何よりの問題は「スーツが傷みやすい」という点です。

リュックは肩や背中にかかるため、摩擦によってスーツの生地が傷みやすく、特に高級なウール素材などは毛羽立ったり、テカリが生じることがあります。スーツの肩部分にシワができたり、長期間使用すると型崩れするリスクも高くなります。こうした問題は、リュックを使用するたびに少しずつスーツにダメージを与え、最終的にはスーツの寿命を短くしてしまうことにつながります。

さらに、見る人によっては、リュックを背負っていることによって、「この人はスーツを大事にしていない」と感じる人もいるかもしれません。特にフォーマルな場面や、大切なクライアントとの商談においては、リュックはカジュアルすぎて不適切と見られることがあります。

スーツは高価な買い物であり、せっかくのスーツをリュックで傷めてしまうのはもったいない。せめて大金を払って仕立てたスーツの場合は、リュックは控えるようにしたいところです。

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