今回は、オーダースーツにおいて有料オプションとされることの多い、いわゆる「本切羽」について。特にはじめてオーダースーツを頼むときは、追加料金は最低限におさえておきたいもの。そんな中で、この「本切羽」という仕様の“優先度”はどの程度なものなのか、お伝えしていきたいと思います。
本切羽とは
まず「本切羽」とは、「袖口本開き」とも言われたりしますが、
こんな感じで、袖口のボタンが開くようになっているつくりのことを言います。
一方で、ボタンは単なる飾りで、実際に開けないようになっているのが「開き見せ」と言われる型で、こんな感じです。
ぱっと見では、違いはわかりませんね。
本切羽という仕様は、袖が汚れないようにまくれるような仕様にしたことが起源とされていますが、今では、そうした機能面の向上というよりも、単に高級に見せるオプションの一つという意味合いが強くなっています。
メリット・デメリットはこちらの記事もご参照ください。
本切羽がダサいだと!? メリット・デメリットをお伝えします
本切羽はいらないのか
必要性の判断基準
スーツの世界ではこのような高級とされる仕様がいくつもあるのですが、細部までこだわっている人は限られるため、高級オプションとは、もはや“知る人ぞ知る世界”となっているのが実態でしょう。
そうなると、スーツの高級オプションは、一部の“知っている人”だけに対して、“知ってる人だな”と思わせるくらいのメリットしかないとも言えるかもしれません。まして本切羽のような「ぱっと見ではわからない」仕様の場合、ボタンをはずしてアピールでもしない限り、もはや誰にも気づかれないことも考えられます。
とはいえ、やはりそれなりに高価な生地で仕立てている場合などは、目立たないところの仕様もそれなりにそろえたいところ。「AMFステッチ」や「本水牛ボタン」などと同じように「本切羽」も“定番の高級オプション”といえるものですから、やはりこれがついていないと不揃いな感じがあります。
ちなみに私自身は、ポリエステルを含まないようなある程度の品質のオーダースーツの場合は、必ず本切羽を入れるようにしています。これは生地のクオリティに合わせて、という意味もあるにはあるのですが、やはりかっこいいんですよね……。
本切羽の着こなし方はこちらでも紹介しています。
初心者が「本切羽」を着こなすための提案【ダサいと言われないために】
初心者には「優先度」は低め
ですが、まだオーダースーツに慣れておらず、ひとまず低価格なものをつくってみようという段階では、気を付けるべきは「見えるところ」だけで良いはずだと思うのです。
まだオーダースーツの勝手がわかっていない段階では、自分にとって本当に必要なオプションというものはなかなか判断がつかないもので、逆に有料オプションを加えだすとキリがないところもあります。
オーダーしていくにつれて、「このスーツにこの仕様は必要だな」「今回はいらないな」という基準も自分の中で出来上がっていくものです。
だからこそ、最初の有料オプションは最小限でいいのです。
色々とおしゃれな仕様を加えるなら、もう少し慣れてきて、またある程度良い生地で仕立てるようになってからにするのが良いのではないでしょうか。
こうした基準で見たときの、はじめてのオーダー時に入れるべきオプションは、こちらも参考にしてみてください。
はじめて作るときの「必要&不要」オプションを整理してみた【オーダースーツ】
結論
ということで、基本的に本切羽はかっこいい素敵なオプションだと思うのですが、はじめてオーダーする場合など、慣れないうちは付ける必要はないといえるでしょう。
皆さまのご参考になれば幸いです。
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