スーツのお直しのときはパンツの“裾幅”にも注意せねば、という話。

低価格オーダースーツ
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オーダースーツをつくってみて、完成後に多少のお直しをするのは珍しいことではありません。当然ながら、完成した後でないと実際の着用感は確かめられないため、意外に着てみると調整したいところが出てくるものです。

ここで注意したいのは、「パンツの裾」です。特に丈、パンツの長さを調整する人は比較的多いと思われますが、実はここには落とし穴がいくつかあるのです。

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パンツは「裾丈」だけでなく「裾幅」にも注意

まず今回最もお伝えしたいのは、パンツの長さを調整すると、裾幅が勝手に変わっている可能性があるということです。

裾の長さではなく、裾の輪っかの大きさのことです。

↓これは標準くらいかな。

↓これは細め。18cmくらいか。

通常、特に指定しない限り、裾幅はだいたい19cmくらいでつくられます。よほどのこだわりがない限り、初心者がこれより広くするのは避けた方が良いでしょう。ただ、1cmか2cmくらい短くする分には、よりすっきりした見た目に仕上げることができるので、特に丈を短めに調整する場合、相性は良いと思われます。

テーパードのかかったパンツの裾を直すと…

さて、最近のパンツは、ほとんどがテーパードをかけてつくられています。つまり、膝から裾にかけて、少しずつ細くしていくことで、よりスリムに見えやすくなっているということです。上の方ほど広く、下の方ほど狭くつくられているということです。

太もも周りと膝下を比べると、明らかに膝下の方が細くなっている

この仕様によって、例えば、丈を短く直したとき、裾の位置が上にいく分、そのまま裾幅が広がるということがあるのです。

実際に私自身、いつもと同じ丈の長さでつくったはずが、なぜかいつもより2cmほど長く仕上がってきたため、その分を短くする調整をしたところ、裾幅も大きく広がり、違和感のあるお直しになった経験がありました・・・。

 

気の利いた店員さんでない限り、このリスクを指摘してくれることはなかなかありませんから、こちらから「裾幅は変えないように」と伝えておく必要がありそうです。長さだけでなく、幅も調整はできますからご安心を。

 

 

お直しは若干跡が残る可能性あり

もう一つ挙げておくと、裾の部分にお直しを入れると、多少の跡は残り得るということです。

丈を長くするにしても、短くするにしても、糸をほどいて縫い直す作業が発生しています。ということは、新しい場所に縫い付けることになるので、その部分に多少の跡は残ってしまう可能性があるということです。とはいえ、これはたいてい微々たるもので済みます。特にウールがある程度含まれているスーツなら、糸のなじみが良いので、気にする必要はないと思います。私のスーツ(ウール50%)ではこんな感じです。

 

↓ここにほのかに縫い跡があるのですが、写真だとほぼ見えませんね。

目を凝らさないとわからないレベルで、使っていて気になることはありません。

 

ちなみに、それよりも見ていただきたいのは、その上にあるこの部分。

こちらの方が一本縫い跡のような線が入っているのがご確認いただけるかと思います。これ、基本的にはどのスーツにもあることをご存知でしたか? 皆さんのお手元にあるスーツにも入っているはずです。

これはパンツの内側のところに余らせている布を縫い付けている跡で、これがあるから、丈を長くすることもできるわけです。例えば既製品のスーツの場合、ハンガーで飾ってあるものは丈の調整が行われていないので、まだ縫い付けられておらず、跡はついていないのですが、購入して丈を調整することによって、この跡がついてくるのです。丈の調整をしたときに入った跡ではありません。

気づいてしまうとなんだか嫌な感じもしてしまいますが、低価格帯のスーツではつきもの。特にお直しを入れたことでついた跡などではないので、一応知っておいた方が良いことかと思い、念のためお伝えしておきます。

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