スーツにツーパンツはいらない?デメリットをお伝えします

スーツのオプション
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オーダースーツを仕立てる際、あるいは既製品を買うときも気になるのが、「パンツのスペアは必要なのか」という問題。

当然あるに越したことはないものの、その分値段も上がるし……今回はそんなお悩みに対して、一つの判断基準をお示ししていきます。

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ツーパンツ(スペアパンツ)の必要性とデメリット

ツーパンツの必要性

「スーツを仕立てる」といえば、当然ジャケットとパンツの組み合わせですね。このどちらかが傷んできて使えなくなってしまったら、そのスーツは基本的には使えないということになってきます。

ここで、先に傷んで使えなくなってしまうのは、たいていの場合パンツです。ジャケットに比べて、伸び縮みや摩擦のダメージを受けやすく、股下等がやぶれてしまったり、てかりが出てきてしまったり・・・。

そのため、予備のパンツを一緒に用意しておくことで、スーツを長く使えるようにしようというのが、いわゆる「ツーパンツ」「スペアパンツ」というオプションです。

パンツが壊れるとジャケットも着ることができなくなる。だからこそ、パンツを長く履けるようにしようというわけですね。

生地代の「3割強」くらいかかる

既製服でも、あらかじめスペアのパンツをつけた上で販売しているものが多いように、スペアのパンツはそれだけ必要性の高いオプションだということは間違いないでしょう。

ただ、パンツが2つになるのにこれを無料でできるはずはなく、やはり金額面がネックになってきます。オーダースーツの場合、だいたい生地代の3割強くらいが、スペアパンツをつけるときの金額の目安になってきます。

そりゃあ、長く使用するためには、あった方がいいに決まっています。それは当たり前としても、やはりそれなりの料金がかかってくるわけですから、ここは考えどころになってきます。

単純計算で、5万円のスーツなら、1万5000円程度の追加料金。これだけの額を払ってまでも、スペアのパンツを用意すべきかどうかというお話です。

ツーパンツはいらないのか

スペアの必要性が大きいケース

そこで、一つの基準となるのは、着る頻度がどれくらいありそうかという点です。

比較的落ち着いた色だったり、柄がない無地の生地の場合は、汎用性があり、着用頻度が高いと思われるので、ツーパンツにする価値は高そうです。

特に、ネイビーやチャコールグレーの無地系は、スーツにおける定番中の定番ですから、スペアのパンツがあると心強いですね。

 

また、いつもより上質で高価な生地でスーツを仕立てる際は、より長く使いたいものになるでしょうから、スペアはつくっておいて損はないと思います。ただ、スーツ自体の金額が高くなるにつれ、スペアのパンツも高くなりますから、ここは見極めが必要でしょう。

スペアの必要性が小さいケース

一方で、季節が限られそうなスーツは、スペアのパンツの優先度は低くなるでしょう。

例えば、冬用の生地としてよく使用するフランネル系のスーツの場合、着用頻度が低い分、パンツは一つでも十分かもしれません。

↑こんなフランネルの「The冬用」なスーツなら、スペアは必要ありません。

 

あとは、比較的派手なスーツの場合ですね。色が明るめで特徴的だったり、柄が強めなスーツの場合は、そんなに頻繁に着るというわけではないでしょうから、スペアパンツの必要性もそこまで高くないと考えていいと思います。

例えば、年間を通して、週に1回も着る機会がないようなスーツの場合なら、スペアパンツの必要性は小さいといえるでしょう。一部では、やたらと「ツーパンツは絶必」などと訴える声も聞きますし、私自身もオーダーする際に店員さんにプッシュされるがままにツーパンツにした経験もありますが、やはり使用頻度によっては全く必要なかったなということもあります。ぜひ冷静に判断していただけたらと思います。

ツーパンツだからこその楽しみも

こうした基準のもとにスペアのパンツも仕立てる際は、ぜひ、それぞれの仕様を変えて、違いを楽しみましょう。

裾は、片方はシングルで、片方はダブル。丈の長さを、片方は少し短めにしてみるのも良いでしょう。あとは、タックの本数を変えたり、片方はサイドアジャスターの仕様にしてみたり。

サイドアジャスターがついていて、ベルトをしないタイプのパンツ。独特なカッコよさが…。

スペアは、単に長持ちさせるためだけにあるものではないのです。仕様の異なる2本を用意することで、その違いを楽しめるという意味も大いにあると思います。むしろ、一つのスーツで違う雰囲気を出すためにパンツを2本つくっておくというのも、とても素敵な考え方ではないでしょうか。

パンツの仕様が変わるだけで、全体の雰囲気は変わってきます。こうした「違いを楽しむ」という視点も、ぜひ大切にしていただきたいところです。

一つの参考になれば幸いです。

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