チェンジポケットとは
これがチェンジポケット。
きれいな置き方でなく恐縮ですが、ご覧の通りジャケットの片側のポケットが一つ増える仕様のことを「チェンジポケット」(略して「チェンポケ」)と呼びます。「変化」の”チェンジ”ではなく、「小銭」を表す”チェンジ”ですね。イギリスで、小銭を入れるためのポケットを付けようということで、もともとは実用性を求めてつくられた形です。
今は装飾やおしゃれとしての意味合いが強いものなので、結婚式などフォーマルな場面や、謝罪をするときなどではチェンポケのスーツを着用するのは避けた方が無難ですが、通常のビジネスシーンで使う分にはまったく問題ないでしょう。
チェンジポケットの必要性
手軽におしゃれ感を演出
チェンジポケットは、基本的には無料で入れられるお店が多い手軽な仕様なのですが、これが一つ入るだけで、”知っている人”には「お、オーダースーツかな」と、”知らない人”にも「なんかおしゃれだな」という印象を与えられるのです。
YouTubeでよくある「オーダースーツつくってみた」系の動画をご覧になってみてください。オーダースーツ初心者の人でも、チェンジポケットを入れているだけで、コメント欄に、「チェンジポケットかっこいい」「チェンポケおしゃれ」などとよく書かれています。
実際にご覧になってみて、いかがでしょうか。「既製品にない」というだけでなく、スーツに雰囲気が出る感じがしませんか?
たった一つの無料オプションで、これだけの威力を持つわけですから、もちろん全部が全部というわけにはいかずとも、初心者の方にもぜひ推奨したいオプションです。
「ダサい」という指摘
とはいえ、やはり世の中では〈左右で一つずつのポケット〉が基本になっているからこそ、チェンポケが際立つわけですから、自分の手持ちが〈チェンポケ付きのジャケット〉ばかりでは、
「あの人いつも右側のポケット2つだな・・・」
などと思われかねません。なんでもかんでも付ければいいわけではなく、そのあたりのバランスを見ながら判断する必要があるでしょう。
あるいは、存在感のある仕様なので、派手な色、派手な柄のスーツにさらにチェンジポケットがついていると、ちょっとしつこい印象を与えてしまう可能性はあります。「ダサい」という懸念が出てくるのは、このあたりからでしょう。
地味目なスーツにこそつけよう!
そこで一つの判断基準にするならば、「地味目なスーツこそチェンポケを」というところでしょうか。
上記の通り、他の仕様に比べてもかなり目立つ形なので、色や柄が派手なスーツにチェンジポケットをつけると、あらゆるところで主張しているスーツになってしまう可能性があり、初心者だとなかなか着こなすのが難しいことが想定されます。「ダサい」という話にもつながりかねません。
逆に、落ち着いた色のスーツだったり、無地のスーツだったりする場合は、チェンジポケットを付けるだけで雰囲気が出てきて、素敵なバランスになると思います。「主張は抑え目なスーツが着たいけど、ふつうすぎるのも嫌だなぁ」という方にはぴったりではないでしょうか。
チェンポケの着こなし方
ちなみに、チェンジポケットをつけたはいいけど、「少し目立ちすぎかな」と感じる方もいるでしょう。
その場合、フラップ(ポケットのふた)をポケットにしまうと、見た目の印象がだいぶ落ち着きますよ。さりげなくおしゃれな印象を与えたいという思いで、私もよくそうしています。
結論
というわけで、誰でも簡単におしゃれな印象を与えられるチェンジポケットは、「なんでもかんでもつければいい」というものではないものの、初心者こそ積極的につけたいオプションといえます。
出来合いのスーツにはなかなか見られない仕様をぜひ楽しんでいただけたらと思います。
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