オーダースーツはいらない「標準体型」が感じたメリット・デメリット

低価格オーダースーツ
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「オーダースーツってなんか高そう」

「自分は普通体系だから既製服で十分」

「同じ値段なら、わざわざオーダーせず既製服で素材が良いものを選びたい」

オーダースーツが良いらしいという話は聞いていても、こんな理由で食わず嫌いだった方は多いのではないでしょうか。

私もまさにその一人です。ほぼ標準体型なので、既製スーツでサイズが合わないと感じたことは一度もなく、同じ素材なのに割高になってしまうオーダーの必要性を全く感じていませんでした。まして1着4、5万円くらいでも「安い!」と言われているのを見たことがあり、「オーダースーツって高いんだ」というイメージをずっと持っていました。

そんなときに見たのが、某オーダースーツ屋の「2着で5万円」という広告。これだったら既製服とそんなに変わらないんじゃないかと思い、試してみたのがオーダースーツとの出会いでした。後にこれは期間限定のセールでもなんでもなく、年がら年中やっているものだと知ったのですが、後悔はありません。今回は、そんな「The 標準体型」の私がオーダースーツの虜になった理由について、お伝えしていきたいと思います。

なお、オーダースーツには主にお手軽な順にパターンオーダー、イージーオーダー、フルオーダーとあります。低価格帯のオーダースーツは、だいたいがパターンオーダーかイージーオーダーになりますが、ここでは特段区別しないでお話を進めます。

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オーダースーツのメリット

かっこいい!

スーツほどサイズ感でかっこよさが左右される衣服はありません。

基本の型は皆共通しているものですから、素材やディティールで多少の違いは出たとしても、よほど詳しい方でない限り、そこまで大きな差にはならないのです。実際、他人が着ているスーツの細かいところまで注視したことってありますか?だいたいの方にとって、ぱっと見でかっこいいか、どこか合っていない感じがするかくらいの見方しかしていないのではないかと思います。

また、フォーマルな意味合いの強い衣服ですから、しわがないことが好まれ、かっこよく見えるようにできている服でもあります。

こうした特徴から、ふつうの洋服よりも繊細なサイズ調整が必要になり、またサイズ感による見え方の差が出やすいということになります。ぱっと見のカッコよさのほとんどをサイズ感が担っている特殊な衣服であるため、各パーツの丈感やウエスト幅などの細かい調整ができるのは、本当に大きなことなのです。既製服のお直しでもできるところはありますが、やはり限界がありますから、文字通り自分の体に既製服とは一線を画すわけです。私のように、既製服でも十分合っていると感じていた方でも、十分に違いを感じられることと思いますよ。

↑イタリアのデルフィノという生地で仕立てたオーダースーツ(デルフィノのスーツをオーダーしてみた

楽しい!

例えば、「ボタン」一つとっても、ボタン自体の種類や色、形、模様、つけ方など様々なパターンがあります。既製服を買うときにはあまり気にしていなくとも、実はスーツにはこうした要素がたくさんあるのです。

左からプラスチック、水牛風のプラスチック、本水牛のボタン

一番安価な「パターンオーダー」でも、ボタンを含め、選べるオプションはまさに多種多様。こうしてディティールまで好みのスーツができあがっていくのは、よりかっこよく好みのスーツが出来があるのが嬉しいだけでなく、何より楽しいのです。完成まで待ちきれず、自分が選んだ生地と同じ素材でつくられた別のスーツの写真を眺めてみたり、YouTubeでスーツの動画を見てみたりするのはあるあるかもしれません。そして仕上がったスーツとの対面の瞬間は、何ともいえない高揚感があります。オーダーでスーツを仕立てるというのは、それ自体が、既製品を買うよりも何倍も楽しい作業なのです。

愛着が沸く

サイズも細かく調整し、ディティールまで自分で決めたスーツは、ただ着るだけでも楽しくなるものです。

「チェンジポケットをつけてよかったな」
※チェンジポケット:右の腰ポケットの上に配置する追加ポケットのこと。

「肩の部分補正入れたからきれいに見えるな」

「この裏地がかっこいいな」

など、着ているときにふと思ったりするものです。

1つ1つが自分がこだわって決めたものなので、既製服とは愛着の沸き方が比ではありません。月並みな言い方ですが、世界に1着しかない自分だけのスーツですからね。

着ること自体が楽しくなるので、気が重い仕事でも、スーツが着られるだけで出勤するのが楽しみになりますよ(私がそうでした)。

「パターンオーダー」ならそこまで高くない

私がこれまでオーダースーツに興味を持ってこなかった理由は、

「標準でサイズは合っているから、サイズを合わせるためのコストは必要なく、同じ値段でより良い生地が選べる既製服が良い」

というのが主な理由でした。要は、そこまで必要のないサイズ調整のために料金が高くなるのが嫌だったということです。

それでも、余りある魅力があるのは既述の通りです。そしてさらに、パターンオーダーであれば、そのサイズ調整のためのコストも最小限におさえられるのです。冒頭に述べた通り、2着で5万円程度(あるいはそれ以下でも)で仕立てられるお店はけっこう増えてきています。このくらいの値段で私がはじめてつくったときも、決して安っぽい素材が多かったわけではなく、しっかりウールが半分以上含まれていて、高級感のある素材もたくさんありました。実際に仕上がったスーツも、サイズ感だけでなく生地感も満足いくもので、「良いスーツ着てますね」と何度か声をかけられることもありました。

今はオーダーだからといって値段が跳ね上がる時代ではないのです。まずはこうした低価格帯のものから試してみるのも良いのではないでしょうか。

↑1着あたり2万5000円でつくった「パターンオーダー」のスーツ(ユニバーサルランゲージメジャーズのパターンオーダーをレビュー

オーダースーツのデメリット

デメリットについても触れておきます。

これはひとえに「価格」に尽きるでしょう。上記のように、一部低価格なものもたくさんあるにはあるのですが、基本的には、

同じ生地でつくるなら既製品の方が安い

ということに間違いはありません。

また、上記のような「パターンオーダー」ではなく、より自由度の高いオーダー形式だったり、あるいは仕立てのレベルが高い高級店だったり、こだわりだすとキリがない世界でもあります。

このような点を考えていくと、やはり既製品よりもお金のかかるものであるということは、理解しておくべきだと思います。

とはいえ、上記の「メリット」としてお伝えしたように、既製品との価格差以上の魅力がオーダースーツにはあると感じています。価格的なところと相談しながら、ぜひ一着くらいはトライしてみていただきたいなと、素直に思います。

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