「手持ちのスーツで、上下を違うスーツで合わせるのはアリ?」
「微妙に違う黒を上下で合わせてもいい?」
意外に多いこんな疑問について、今回はお答えしていきます。
ジャケパンスタイルとスーツスタイルの違い
まず理解しておくべきなのは、スーツスタイルとジャケパンスタイルは異なるということです。
ジャケパンスタイルとは、文字通り「ジャケット」に「パンツ」を合わせた着こなしのことです。
スーツスタイルとは違い、ジャケットとパンツはそれぞれ異なる色で組み合わされることが多いので、原則としてはよりカジュアル感の強いスタイルだと言われています。
スーツほど「かっちり感」が重視されるものではないので、一般的に、ジャケパンスタイルの場合のジャケットの丈は、スーツのジャケットよりも少し短めにつくられることが多いですね。
そのため、ジャケパンスタイルの場合は、当然ながら、上下で色違いになるのは全く問題ないですし、むしろそれが当然の着こなしとなります。
上下の色違いについて
一方、スーツスタイルの場合は、当然上下で同じ生地が使われていることが大前提です(それをスーツスタイルといいます)から、原則上下で色が異なるということはありえません。
しかし、場合によっては、質感の似た生地であることを前提に、上下を違うスーツで組み合わせることもあるにはあります。
こちらのFORZA STYLEのYouTubeチャンネルでは、4分以降の部分で、そのような着方についても言及していますね。
ただ、これはどちらも良質な生地でつくられ、上下ともに無地のスーツであり、またファッション的にバランス感覚の良い方たちがうまく着こなしているからこそかっこよくは見えますが、私のようなふつうの人間が、ふつうのスーツで同じことをやってしまうと、チグハグな印象を与えかねない可能性があります。
柄の違う上下を合わせてしまうのは論外ですが、例え上下ともに無地で似た素材感の生地だとしても、ジャケットの丈がスーツ用で少し長めになっている点などから、やはりどこか違和感を与えてしまうリスクがありますので、基本的には避けるべきといえるでしょう。
スーツ上下で微妙に違う黒やネイビーは?
ここでよく疑問として挙がるのは、「微妙に違う黒やネイビーはOK?」という疑問です。
しかしこれは完全にアウト。
上下で違う組み合わせにするのは、メリハリが出るからこそおしゃれに見えるわけで、上下が近い色になればなるほど、それをうまく着こなす難易度は上がってきます。
かなりのおしゃれ上級者が、“あえて合わせてみた”という明確な意図がない限り、近い色で上下を合わせるというのは無理だと考えてよいでしょう。
ましてネイビーや黒などの定番色で、おしゃれ的な意図もなく組み合わせてしまうということは、ただチグハグ感を与えるだけですから、わざわざやるようなことではありません。マナーとしても限りなくNGに近いと思われます。
ただ、間違えて上下で微妙に違う色を着てしまったという場合でも、そこまで慌てる必要はないでしょう。出社前のあわただしい中で、単純に間違えてきてしまったということは誰しも経験があるかもしれませんが、間違えるくらい色が近いのであれば、上下をまじまじと見られる機会でもない限り、バレることはありません。というか、大事な儀式の日でもない限り、バレたとしても、「すみません間違えちゃって…」で笑って済ませられることかもしれませんね。
とはいえ、基本的にはNGという認識はお持ちいただけたらと思います。
上下の“生地違い”について
先ほども一部言及しましたが、それでもスーツ上下で違う組み合わせをしたい場合は、最低限の条件として、生地感は似たものにするようにしましょう。これはジャケパンスタイルの場合も同様です。
まずは「柄」が上下で異なるのは、ジャケパンでは何とか着こなせる方法はあっても、スーツでは完全にNG。全く違うスーツ上下を間違えて着ているとしか思われません。特に、ストライプ柄のジャケットやパンツを違う柄と組み合わせるのは無謀ですね…。
その上で、生地感が上下であまりにも離れてしまうと、これもまたチグハグ感が出てしまいます。
よくあるのは、ジャケットだけウール100%である程度高級感があるのに、パンツは明らかにポリエステルの配分が高い生地でつくられているというもの。生地感の高級感に大きな乖離があると、それだけで違和感に繋がってしまいますから注意しましょう。
同じように、ジャケットはコットン素材で、パンツはウールというのもNGですね。風合いなどが近いものでないと統一感は出ませんから、これはジャケパンスタイルにも当てはまる前提条件として、気をつけていただけたらと思います。
結論
ということで、今回の結論としては、
・スーツの上下色違いはナシではないけど、生地感は近いもので。
・スーツ上下で微妙に違う黒やネイビーはアウト。微妙な色違いは避けよう。
ということになりますでしょうか。
皆さまのご参考になれば幸いです。
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