YouTubeでスーツの情報を得たり、オーダースーツの動画を楽しんだりする中で、某有名ファッションプロデューサーの「スーツ」に関する動画には、どうしても疑問を抱いてしまいます。
まずは
ファブリックトウキョウはむしろ高いのでは…?ゴリ推しへの違和感
の記事でも紹介したのですが、
ファブリックトウキョウだけ距離が近すぎないでしょうか??
店舗にまで行って撮影し、「これPRじゃないんですよ」「金銭関係ないんですよ」などと強調しておきながら、「1着3万円台なんて安い!」とべた褒め。
ここよりも安いオーダースーツはいくらでもあるのに、ファブリックトウキョウ以外のスーツは基本的に紹介していないという不思議…。
挙句の果てには、同社と一緒にオーダースーツのコラボ商品まで展開していましたから、「本当にそれまで何の関係もなかったの~?」という気持ちを抱いてしまいます。
そもそも、「3万円台からオーダーできる!」と常々訴えていますが、実際の最低価格は3万8000円ですから、ほぼ4万円。
しかも、この価格のスーツの生地はポリエステル50%を含みますし、本切羽やキュプラ裏地、ステッチ、天然ボタンなどはもちろん、チェンジポケット、ネーム刺繍まですべて有料オプションという徹底ぶり。
同じランクの生地で、上記のオプションがいくつかついた上でも2万円台で買える大手のちゃんとしたオーダースーツ店はいくつもあります。
ファッションを生業にして、しかもスーツに関する情報も発信する立場でありながら、こうした事実を知らないわけがないのに、某氏はファブリックトウキョウの紹介にこだわるというのが、どうも腑に落ちないんですよね。
2023年の10月からは、ステルスマーケティングは景品法違反になるのですが、大丈夫なのでしょうか…。
もちろん真相は同社と某氏のみぞ知るところではありますが、老婆心ながら、心配になってしまいます。
スーツはもっと個性豊かなもの
と、某氏のスーツ論は、1社との癒着“疑惑”がベースになっているように思えてしまうのですが、その上で、「スーツは素材とサイズ感くらいでしか個性が出せない」という主張について。
「だからこそ、ぴったりサイズで着られるオーダースーツがオススメ!」という文脈で何度も叫ばれていることなのですが、例えば銀行員などかっちりした職場のスーツだとしても、ネイビーやグレーを中心に、色の幅はけっこうあるはずですし、ストライプなど、着られる模様もそこそこあるはずです。
『半沢直樹』を思い出してみてください。半沢自身は黒の無地に近いスーツが多かったように思いますが、大和田常務は上品な艶のある明るめグレーのスーツを着ていましたし、渡真利はネイビーのストライプスーツの姿が印象的でした。
第二シーズンでは、猿之助演じる伊佐山部長のグレーストライプのスーツ、賀来賢人演じる森山の明るめなネイビースーツのフレッシュ感も特徴的でしたね。
銀行という、最もかっちりした職場でさえ、これくらいバラエティ豊かなわけです。
さすがに、「素材とサイズ感でしか違いは出ないでしょう」というのは暴論ではないでしょうか。
とまあ、ここまでは、『半沢直樹』のスーツを“バラエティ豊か”と見るか、“いやいや、大して違いはないよね”と見るか、主観にもよるところがあるでしょう。
ですがそもそも、某氏はファッション界を代表するインフルエンサーなのだから、色も柄も、多用なスーツを紹介すればいいはずではないでしょうか。
実際、自身もTシャツでスーツを着用した姿を何度もお見せするなど、カジュアルな“オフ”の着こなしも紹介しています。
それなら、色味も柄も、もっと多様なスーツを紹介すればいいはずなのに、なぜ「差別化する要素はほとんどない」と言い切ってしまうのか、ここは純粋に疑問です。
ネイビーやグレー以外でも、上品に着こなせるスーツはたくさんあるはずです。
ということで、某氏のスーツ論に対して率直に思うことをつらつらと述べてみました。それ以外では有益で楽しい情報発信をしてくださっていると感じるだけに、スーツに関してだけは、色々な意味でお考えを改めていただいても良いのかなと、外野から勝手に思った次第です。
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