結局、スーツの芯地って何?お店ごとの見分け方も紹介

スーツのオプション
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オーダースーツを仕立ててみようと、ネットで色々調べるようになるとよく目にするようになる言葉が、「芯地」(しんじ)。既製品を買うときには、なかなか耳にする機会もなかったと思いますが、細かいディティールまで自分でカスタマイズができるオーダースーツになると、大事なキーワードとして度々登場してきます。

今回はこの「芯地」の正体と、お店ごと毛芯・接着芯の見分け方などについてお伝えしていきます。

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芯地とは(接着芯・毛芯)

オーダースーツ界においてブラックボックス化している芯地。実際にオーダーする際も、店員さんからこの言葉が出てくることは、意外に少なかったりします。

というのも、芯地は、仕立てるスーツの価格帯によって半ば自動的に決まってくるところもあり、表立ったオプションとしては提示されないことも多いのです。

 

ある程度の価格以上の商品になると、高級とされる「総毛芯」(そうけじん)仕様になっていることが多い一方で、初心者向けの低価格帯商品だと、「“半”毛芯」(はんけじん)か、「接着芯」(せっちゃくしん)の仕様になっていることが多く、毛芯自体が「有料オプション」となっているというより、スーツ本体の価格帯によって決まるものと思っておいておおむね間違いはないでしょう。既製品の場合でも、ある程度高価なものの場合、毛芯が使われているものももちろんあります。

 

では、そんな芯地とはスーツにおいてどのような存在なのかというと、簡単に言えば、スーツの形を保つために、文字通り“芯”として使用されるものです。

 

スーツは、外側に出ている「表地」と、内側についているサラサラした「裏地」が、我々が直接目視できる部分になりますが、この表地と裏地だけでは、ペラペラで、ヘニャヘニャな服になってしまいますから、両者の間に「芯地」が入ることで、パリッと、しっかりした服に仕上げているということですね。

後述する通り、芯地にも良い悪いがあるわけですが、良い芯地になるほど、

・つくりがしっかりして、形が崩れず長持ちする

・立体感が出て、かっこよく見える

という効果があります。

 

では、一般的な芯地の優劣はどうなっているかというと、

高級な方が「毛芯」で、比較的安価な方が「接着芯」ということになります(「接着芯」が一概に悪いと決めつけられるものではないのですが、“わかりやすくいえば”ということで、ご容赦ください)

読み方は、「毛芯=けじん」「接着芯=せっちゃくしん」です。「毛芯」の中にも、「総毛芯=そうけじん」「半(ハーフ)毛芯=はんけじん/はーふけじん」というものがあります。まれに、「総毛芯」(そうもうしん)などと呼んでいる人もいますが、これは間違いですので気を付けましょう。

接着芯・総毛芯・半毛芯の特徴

接着芯

一般的に、安価なスーツに使われていることが多い芯地です。オーダースーツ店でも、外からは見えない毛芯の部分を接着芯にしてコストカットを図っているお店も多いです。

これがどんな芯地なのかというと、化学繊維でできた薄い布地に接着剤がついていて、それを表地と裏地で挟んでいるイメージです。

ですから、間にしっかりとした馬の毛が入っている毛芯(後述します)と比べると、耐久性や立体感、丈夫さなどにおいて、一般的には劣るとされています。

なおその反面か、接着芯が使われるメリットとして、「軽くなる」「薄いから着やすい」などと言われることもありますね。

基本的に、選べるならやはり接着芯より毛芯というところではありますが、接着芯でも、例えばラペルの部分もしっかりロールはしていますし、見比べて特に気にならないという方は、特段気にする必要はないかもしれません。

「半毛芯」のスーツ。ラペル部分には毛芯が使われています。

こちらは「接着芯」のスーツ。※上のスーツより5年くらい長く着ています。

総毛芯

スーツにおける毛芯とは、基本的には馬の尾の毛が使われて、接着剤ではなく、糸で縫い付けられているものです。接着芯に比べ、ハリがあり、丈夫な芯地なので、スーツの上品な立体感を出し、堅牢さも増すとされている仕様です。また、天然物を縫い付けている形ですから、通気性も、接着芯よりも優れているといわれています。

 

スーツ全体が毛芯によってできている場合、「総毛芯」という呼び方をしますが、スーツの芯地において最も高級で、価値があるとされているのが、この「総毛芯」の仕様です。

もちろん、お店によっても、商品によっても、またオーダーの仕方によっても大きく変わってきますが、だいたい10万円を超えてくるようなオーダースーツの場合、「総毛芯」で仕上げてくれるところが多いのではないでしょうか(あくまでも主観的なイメージです)。

ちなみに、このような馬の毛をつかった芯地は、「バス芯」とも呼ばれます。

 

半(ハーフ)毛芯

その名の通り、スーツ全体ではなく、半分くらいに毛芯が使われていて、もう半分は接着芯になっている仕様が、「半毛芯」「ハーフ毛芯」などと呼ばれます。

ではどの部分が「毛芯」でどの部分が「接着芯」なのかといえば、目立ちやすいラペル周辺一帯が毛芯で、それ以外の部分が接着芯というイメージです。既述の通り、ラペル周りが毛芯になっているだけでも印象は変わりますから、ある意味「半毛芯」はコスパの良い仕様だといえるかもしれません。

 

例えば、ユニバーサルランゲージの場合、最安値の「2着5万円」でつくったとしても、「半毛芯」が標準仕様になっていたかと思います。

 

どう選ぶべきか

基本的には毛芯を選ぶべきでしょう。特にラペルの部分は、毛芯が使われているかどうかで印象が変わってくる場合があります。

ただ、毛芯にすると追加料金がかかったり、あるいは接着芯を採用することでより安くオーダースーツを提供しているお店もあります。これらを考えると、万人に対する正解はないので、それぞれの価値観からご判断いただけたらと思います。

 

ですが、芯地の扱いについて、HP等で紹介しているお店はむしろ少数派なのが実態。ですから、気になるお店があったら、まずは行ってみて、生地を見学しつつ、「芯地はどうなっていますか?」と尋ねてみましょう。こちらから尋ねないと、なかなか確認する術はありません。ふらっと入れるお店でなければ、電話で聞いてみるのも良いですし、あるいは「生地の見学だけ」ということで予約をとるのも良いと思います(それで断るお店は基本的にはありません)。

皆さまのご参考になれば幸いです。

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