オーダースーツの主要な選択肢として挙がる本切羽ですが、実際にこれはどのように着こなせばいいのか。「ボタンを外す」とよく言われるものの、どのよう外したらいいものか……。今回はそんなお声に対して一つの考え方をお示ししていきます。
本切羽とは
袖口のボタンが開くようになっている仕様である「本切羽」。
↑上が本切羽(袖口本開き)、下がいわゆる「開き見せ」という仕様で、ボタンは飾り(実際は開かない)になっています。
一見しただけでは違いはほとんどわかりませんから、はじめてオーダーする際には、わざわざ本切羽の仕様を有料で追加する必要はないと思っています。
しかし、オーダースーツに慣れていくにつれ、あるいは生地のレベルがあがっていくのに合わせて、こうした高級オプションもつけていきたいもの。やはり、本切羽の仕様になっているスーツの“本格感”には、何とも言えないかっこよさがあります。オーダーをし始めた当初はあまり必要性を感じていなかったものの、今ではどのスーツも必ず「本切羽」仕様にしています。
本切羽のボタンの外し方
ではそんな本切羽をつけたとして、実際にどのように着こなすのがかっこいいのか。
一般的な着こなし
まず、“こなれた着こなし”としてよく言われるのは、「ボタンの両側1つずつを開けること」です。
いわゆる、「このスーツは本切羽ですよ」「私はスーツをオーダーしていますよ」とさりげなくアピールする意味も含めて、1つずつ開けるということです。
たしかにこれはやってみるとかっこいいですし、スーツ好きの人からすると、はっきりと本切羽であることが目視できるようになると思います。
片側のボタンだけを外す
ただここで一つ提案したいのは、「両側ではなく“片側”のボタンのみ開けること」です。
先の「両側1つずつ開け」は、ある意味本切羽を着こなすための定番文句でもあります。少しひねくれている私は、逆にこの「両側1つずつ開け」も、みんなのまねっこっぽい感じがしてしまって、少し抵抗があるのです……。
だからこそ、片側だけ開けることで、「聞きかじったことを実践している」感がうすれるのではないかと思いますし、左右不均衡な感じもまた独特な雰囲気を演出するのではないでしょうか。
なお、開けるなら1つが無難ではあると思いますが、より目立たせるために、2つくらいまでなら開けても悪目立ちはしないでしょう。実際に私は、腕時計をしている左袖のボタンを2つ開けて、右袖は全閉めという着方をよくやっています。
ダサいと言われないように
上記のようなボタンの開け方であれば、おしゃれ感とこなれ感を出すことができ、「ダサい」なんて言われるリスクは皆無です。
ですが念のため、ダサいと思われてしまうような着方について付言しておくと、
「ボタンを開けすぎ」
ということに尽きるでしょう。
いくら本切羽であることを見せびらかしたいといっても、全ボタンを開けた状態でいたら、さすがにダサいと言われても仕方はありません……。
“あえて”という着こなしができるおしゃれ上級者ならうまくバランスがとれるのかもしれませんが、基本的には極端にボタンを開けまくるというのは避けておくべきでしょう。
あまりにも外しすぎると、やりすぎ感が出てしまい、せっかくの上品なカッコよさが失われてしまいかねません。
何事もやりすぎは注意ということですね。
結論
ということで、一口に本切羽といっても、そのボタンの外し方によって、着こなし方は大きく変わってきます。上記にこだわりすぎず、ぜひ自分なりの本切羽の着こなし方を見つけてみてください。
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