既製服の場合、ぱっと見の印象や触り心地などで選んでいて、生地の配合まで気にしたことがないという方も少なくないかもしれません。せいぜい、ウール100%か、ポリエステルがけっこう入っているか、そのくらいの認識ではないでしょうか。
オーダースーツをつくるときは、最初に生地をじっくり選ぶことになるので、ここではじめて生地のつくりについて細かく気にすることになろうかと思います。生地の世界は本当に奥が深く、種類も様々。ここでは、主要な素材ごとに、初心者としてざっくり知っておきたい基本的な情報をご紹介しておきたいと思います。
オーダースーツの生地の種類
ウール
最もスーツによく使われる素材といえるでしょう。羊の毛のことです。軟らかく伸縮性があり、ほどよい光沢もあり、「良いスーツに使われる」というイメージを持っていただいて間違いではないです。
ある程度の金額以上のスーツならば、「ウール:100%」でつくられているスーツが圧倒的に多いです。
↑REDA(レダ)のウール100%ジャケット。スーツカンパニーのアウトレット店で購入(スーツスクエアの上野アウトレットで格安REDAジャケットを購入)。
↑DRAGO(ドラゴ)のウール100%スーツ。かなりヘビーウエイトです。オーダーしたときの詳細はこちらの記事に(ユニバーサルランゲージでハンドメイドのオーダー 評判と実態)。
ポリエステル
言わずもがな、化学繊維です。ざっくり、この割合が高くなるほど低価格になるイメージでしょうか。
ただ、必ずしもポリエステルが含まれていれば安いスーツとなるわけではありません。ウールのような天然素材と比べて耐久性に優れているのが特長で、高級スーツでもあえてポリを混ぜていることもあります。2~3万円程度のものだと、ウール50%とポリエステル50%くらいの製品が多いかと思います。
↑ポリエステル50%、ウール50%のスーツ。写真だとパッと見ではウール100%のものと変わらない?詳細はこちらの記事に(ポリエステル混生地で2着オーダーしてみた)。
フランネル
ウールを起毛させる加工が施されていて、柔らかい肌触りと、暖かさが特徴です。見た目からしても暖かい印象を受けるので、基本的には秋冬に着るものですね。
↑カルロバルベラのクリームフランネル。かなり肉厚で暖かいです。
コットン(綿)
通気性が良く、夏用スーツに好まれる素材ですね。私服で着るような洋服に最も使われている素材ですから、カジュアルな印象になります。比較的しわになりやすいのは難点。
↓YouTuberの「おっくん」がコットンスーツを仕立てた動画を上げています。コットンの雰囲気が伝わりますかね。
リネン(麻)
最も涼しげで、夏に適した素材です。通気性が良く、耐久性や発散性もあります。しわにはなりやすいですが、それもリネンの味といえるでしょう。ビジネスシーンでは使いづらく、上級者向けの素材かもしれません。
モヘヤ(モヘア)
アンゴラヤギの毛で織られた生地です。しっかりした生地感で、上品で強い艶が特徴です。通気性に非常に優れているので、春夏用のスーツによく使われます。
↑モヘヤを70%含んだジャケット。ゴワゴワした感じがありつつも、独特な光沢感があります。
カシミア
羊は羊でも、カシミア山羊の毛で、何といっても高級感のある光沢感と質感が特徴です。肌触りも良いです。ただ、耐久性はウールよりも落ちるので、他の素材と混合で使われることが多いです。
ナイロン(ほか)
ポリエステル意外にも、化学繊維は色々あります。ポリ意外はスーツにはあまり使われませんが、あるとしても、数%含まれている程度で、主要な素材ではありません。
はじめてオーダーするなら……
ということで、主要な生地の種類についていくつかお伝えしました。まだオーダースーツに慣れていない場合、とりあえずは、ウールとポリエステルの配合を気にしていただいて、慣れてきたら他の素材にも挑戦し、季節感を楽しんでみることをオススメします。
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