オーダースーツの作り直し・仕立て直しはどこまでできるのか

低価格オーダースーツ

2024.06.02

当然ながら、完成するまで「完成品」を見られないのが、オーダースーツの醍醐味であり、難しいところです。

それゆえに起こりうるのが、サイズ感のズレ。そこで作り直しや仕立て直しなど、多少のお直しをお願いしたいところですが、実際それはどの程度できるものなのか。

今回はそんな疑問にお答えしていきます。

オーダースーツの作り直し

オーダースーツの作り直し

お直しができる部分

オーダースーツのお直しは、様々な部分に対応可能です。ここでは、具体的にどのようなお直しができるのかを詳しく見ていきましょう。

まず、ジャケットに関しては、袖丈や着丈の調整が一般的です。袖が長すぎる場合は短くし、全体的に大きすぎる場合は着丈を詰めることが可能です。ただし、袖や着丈を伸ばすのは、生地に余裕がある範囲内です。あまりにも大きな調整まではできないので注意が必要です。

ウエストを絞ることもできますが、こちらも同様にもともと備えれている生地の縫い代の範囲内での調整が基本です。着用している際に体型にフィットさせるため、脇や背中の部分を調整することも一般的です。

続いて、パンツについては、ウエストやヒップ、もも周りのサイズ調整が行えます。ウエストが緩い場合は縮めることができ、逆にきつい場合は、ある程度まで広げることが可能です。このとき、調整の幅はパンツにもともと備えられている縫い代に依存しますので、やはり大幅なサイズ変更には限界があります。

なお、オーダースーツのお直しは、そのスーツの元のデザインや構造によって可能な範囲が変わることがあります。特に複雑なデザインや、特殊な素材を使用している場合は、お直しに制限が出ることがあるため、詳細は店員さんにお尋ねするのが一番です。

ジャケットのお直しについて

ジャケットのお直しについてもう少し具体的に見ていきましょう。

具体的には、着丈の調整やウエストのしぼり、さらには肩幅の調整が可能です。

例えば、着丈を短くすることで、ジャケット全体のバランスを改善し、スタイリッシュな印象を与えることができます。これは特に身長が低い方や、よりモダンなスタイルを好む方に推奨されます。

また、ジャケットのウエストをしぼることで、体のラインに合わせたフィット感を出すことができます。これは体型の変化によりジャケットが大きく感じられる場合に有効です。ただし、あまりにも強くウエストを絞りすぎると動きにくくなることがあるため、適切なバランスが重要です。

肩幅の調整も可能ですが、これは比較的複雑な作業であり、肩部分の修正はジャケット全体のフィット感に大きな影響を与えるため、慎重に行う必要がありますし、そもそもできない場合も多いです。

パンツのお直しについて

パンツのお直しについてもより具体的に見ていきましょう。

ウエストの調整、裾の長さの変更、そして裾周りの調整が行われることが多いです。

ウエストが合わなくなった場合、縫い代を使って広げることや、余分な部分を取り除いて狭めることが可能です。ウエストの調整は、快適な着用感と見た目のスマートさを保つために重要です。

裾の長さを調整することも多いです。思ったより長すぎたり、短すぎたりすることはけっこうあるものです。その場合、多少であれば長くすることも短くすることもできますからご安心ください。

意外に知られていないのが、裾周りの幅です。思いのほか裾幅が広すぎて、もう少し狭くすることで、テーパードを効かせたいということもあるでしょう。逆に、裾の長さを「短く」する場合、裾幅が広がってしまったということが実はけっこうあります。これについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

スーツのお直しのときは“裾幅”に注意！

お直しの料金（一定期間内なら基本的に無料でできる）

お直しの料金については、購入後の一定期間内であれば、多くのオーダースーツ店では無料で対応することが一般的です。

この無料お直し期間は通常、購入から1ヶ月から3ヶ月程度とされていますが、店舗やブランドによって異なるため、購入時に確認することが大切です。無料期間内に限られた調整ができるため、体型の変化や小さなフィッティングの問題を修正する絶好の機会となります。

ただし、この無料サービスは基本的な調整に限られており、大幅なデザイン変更や特殊な修正が必要な場合は追加料金が発生することがあります。また、購入から長い時間が経過している場合や、非常に複雑な修正が必要な場合も有料となることが多いです。そのため、購入後に気づいたフィットの問題は早めに修正を依頼することが推奨されます。